HAPPY HALLOWEEN!!!

 

 

 

飛行訓練の後、アルトはクタクタになって自室へと戻る

相棒のミハエル・ブランはいつの間にか姿が無かった。

そう言えば、何とかのパーティーがあるとかないとか言ってたな・・・

と、思いながらベッドに潜り込む。

途端に瞼が落ちてきて、意識がなくなった。

どの位眠っていたのだろう・・・

枕もとに置いておいた携帯電話を見てみると、自分でも驚く事に3時間も寝てしまっていた。

同室であるミハエルはまだ帰ってきていない。

サイダーでも飲んで目を覚まさせようとベッドから起き上がり、

部屋の隅に置かれている小さな冷蔵庫からサイダーのビンを取り出す。

サイダーのビンの口を自分の口に当て、喉を鳴らして飲み始めた。

痺れるような炭酸の感覚が喉の奥に響く。

トントンとドアをたたく音に、自然と視線はドアに向けられ、

手にしてたサイダーのビンをテーブルに置くと、アルトはドアの前に立った

「だれだっ」

アルトは外に聞こえるように少し声を高くして言う。

「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ」

くぐもった声がした。

アルトは首をかしげながら、ドアの開閉スイッチを押す。

ドアはいつもどうりの速さで自動に開き、アルトはたじろいだ。

「うわっ!」

眼の前に現われたものに驚き一歩退く。

大きなオレンジ色のカボチャが立っていたのだ。

「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ」

そういいながら、オレンジカボチャは部屋の中に入ってきた。

後ずさりながらアルトは「お菓子なんかない!」と答える。

「じゃ、お前でいい。お前をくれなきゃ いたずらしちゃうぞ」

そう言いながら、カボチャの中からミハエルが顔をだした。

ミハエルはカボチャの被り物を脱ぐと、ニッコリとアルトに微笑んだ。

「ミ・・・シェル・・・」 驚いた表情のアルトは腕を引き寄せられ、ミハエルの胸に

あっという間に抱きしめられる。

「お前をくれなきゃ いたずらしちゃうぞ」ミハエルはアルトの耳元で囁く。

「ばーか。あげたって、あげなくたって同じだろ。それに何だよ、そのカッコ」

「今日はハロウィンだぜ」ミハエルはアルトの鼻の頭に自分の鼻先をこすりながら微笑んだ

「何がハロウィンだよ。姿が見えなくなったと思ったら、こんなカッコして・・・」

アルトは身を捩りミハエルから身体を少し離し、溜め息をついた。

「あれ?姫様はお気に召さなかったかい?」

「気に入るもなにも・・・」

「さっきの言葉は俺の本気が入ってんだけど・・・」

「さっきの?」

ミハエルはアルトの両腕を取って「お前をくれなきゃ、いたずらするぞ」とアルトの耳元に

くぐもった声で囁いた。

困った顔をして俯くアルトにミハエルはゆっくり覗き込む。

「ひ~めぇ~」

近付くミハエルの顔にアルトの気持ちは慌てたが、ミハエルに見透かされては悔しいので

なんでもないように振舞う。

「いたずらはしないけど・・・お前が欲しい・・・」

真剣なミハエルのその声に一気に気持ちが高揚し、アルトは顔を上げてミハエルを見つめた。

自分の頬が熱を帯びて紅く染まっていくのが分かる。

「す・・・すきにしろっ」

アルトは投げるように短く言い放すと、少し背伸びをしてミハエルのくちびるに口づけた

不意をつかれたようなアルトからの口づけに、ミハエルは驚いたと同時に、眼の前のお姫様が

一層愛おしくてたまらなくなった。

「お前をくれなきゃ、いたずらしちゃうぞ」

そう言いながら、ミハエルのくちびるを右の人差し指でなぞると

アルトはいたずらっぽく微笑んでミハエルを見つめた。

 

 

 

=TOUCH DOWN================================================

HAPPY HALLOWEEN!!!

せっかくのハロウィンなので、お話しを考えてみました。

姫からのキスを書きたかったんです。本当は・・・

短くてごめんなさいですけど、個人的にいつもはミハは姫にアプローチ

バンバンしてくるからこそ、姫からの誘いはかなり萌えますv

ラブラブなふたりでいつもいてほしいのです♪

2008/10/31    るきと